『六人の嘘つきな大学生』は、就活という人生の大きな岐路を舞台にした心理ミステリーです。超人気企業「スピラリンクス」の最終選考に残った6人の大学生が、互いを評価し合い、たった1つの内定枠を争う異例の試験に挑むことになります。しかし、試験当日、彼らの過去を暴露する告発文が発見され、密室の中で疑心暗鬼の心理戦が繰り広げられます。
単なる就活ドラマではなく、ミステリー要素や人間の本質に迫る展開が魅力の本作。誰が信じられるのか、何が真実なのかを観客に問いかけながら、予想外のどんでん返しへと導いていきます。8年後に明かされる衝撃の真実とは?就職活動のリアルと、スリリングな心理戦が交錯するこの作品を深く考察していきます。
<六人の嘘つきな大学生 予告編>
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六人の嘘つきな大学生の内容考察
考察ポイント1:就活という舞台の異質さ
なぜ最終選考の形式が異例だったのか?
スピラリンクスの最終選考は、一般的な企業の採用試験とは大きく異なるものでした。通常の就職活動では、企業が応募者を評価し、採用を決定します。しかし、この作品では、最終選考に残った6人の大学生に対して「自分たちで1人の内定者を選ぶ」という異例の課題が課されます。
この形式が特異である理由の一つは、企業側の責任を放棄している点です。人事部は自ら評価を下すのではなく、学生たちに選ばせることで、最終的な責任を転嫁しています。さらに、選考の過程が監視カメラによって記録され、企業側が全過程を把握しているにも関わらず、途中で介入することがありません。このような環境が、心理戦や疑心暗鬼を生み出し、物語の緊張感を高める要素となっています。
また、最終選考直前に「内定枠が1人に変更された」という急な発表があった点も、異例な選考形式を強調する要因です。就活生たちは、全員が合格の可能性を信じて努力を続けていたのに、突如として仲間の中から1人を選ばなければならない状況に追い込まれます。このルール変更が、彼らの関係性に大きなひずみを生じさせ、選考が単なる能力評価ではなく、人間同士の駆け引きへと変化していくのです。
さらに、選考の場に置かれた「封筒」により、6人の過去が暴露されるという仕掛けも、異質さを際立たせるポイントです。通常の面接では、応募者の経歴や実績をもとに評価が行われますが、この選考ではプライベートな秘密が暴露され、それが評価基準になってしまいます。こうした不透明なプロセスが、企業の姿勢への疑問を浮き彫りにし、視聴者に「本当にこんな会社に入りたいのか?」という問いを投げかける構造になっています。
「スピラリンクス」の選考方法に見るブラック企業の闇
スピラリンクスの採用試験は、ブラック企業の選考方法として疑問を抱かざるを得ない要素が多く含まれています。まず、企業側が「全員が内定の可能性がある」と伝えておきながら、最終選考直前に「内定者は1人のみ」と突然の方針転換を行う点が、就活生に対する明らかな精神的負担となっています。
さらに、最終試験の形式が異常です。通常の就活では企業側が候補者を評価するはずですが、ここでは6人の学生が「自分たちの中から1人を選ぶ」ことを強要されます。これは企業が自らの責任を放棄し、学生たちにプレッシャーを与える手法といえます。加えて、試験中は監視カメラで彼らの行動をチェックし、最終的な結論を見守るだけという姿勢も不気味です。
また、会議室に置かれた封筒により、6人の過去のスキャンダラスな情報が暴露される展開も異様です。通常、採用選考で候補者の私生活をここまで暴露することは考えられません。このような状況に追い込まれることで、学生同士の信頼関係が崩れ、互いを疑い、攻撃し合う環境が生まれます。
この選考方法の最大の問題点は、企業が「採用試験」という形を取りながら、実際には学生の倫理観や精神的耐久力を試すような状況を作り出している点です。これは単なる選考ではなく、心理戦に近いものであり、通常の採用基準とはかけ離れています。企業の本質を問う視点として、この試験方式は「ブラック企業の採用試験の極端な形」として映るのではないでしょうか。
現実の就職活動とのギャップ
現実の就職活動とスピラリンクスの最終選考を比較すると、いくつかの決定的な違いが浮かび上がります。まず、一般的な採用プロセスでは、企業が候補者を評価し、その適性や能力をもとに採用を決定します。しかし、スピラリンクスの選考では、学生同士が「誰が最もふさわしいか」を決めるという、現実ではほとんど見られない方法が採用されました。
さらに、実際の企業では採用方針や採用枠の変更は慎重に行われるのが一般的です。選考途中で「採用枠を1人に変更する」と突然通達することは、候補者の信頼を大きく損なう行為とみなされます。このような不透明な対応をとる企業は、現実では悪評が広まり、優秀な人材が応募を敬遠する要因となるでしょう。
また、選考の過程で候補者の過去を暴露することも、通常の採用試験では考えられません。企業が求職者の素行を調査することはありますが、それはあくまで業務上の適性を確認するためであり、プライベートな情報を選考の材料にすることは倫理的にも問題があります。本作のように、告発文を基に候補者を評価し合うような選考方式は、社会通念上も受け入れられにくいものです。
さらに、面接やグループディスカッションでは、一般的に応募者の協調性や論理的思考力を測ることが目的です。しかし、スピラリンクスの試験では、内定を得るために相手を陥れることが可能な環境が作られ、結果的に「誰が生き残るか」というサバイバルゲームのような状況になってしまいました。このような形での選考は、現実の企業では到底ありえないものです。
こうした違いから、本作の採用試験は、現実の就活とは大きくかけ離れたフィクション的な要素が強いものの、視聴者に「本当に企業の評価基準は適正なのか?」と考えさせる狙いがあるのかもしれません。
考察ポイント2:登場人物たちの裏の顔と心理
暴露された過去のエピソードの意味
スピラリンクスの最終選考の場には、一通の封筒が置かれていました。その中には、6人の就活生それぞれの“裏の顔”が記された告発文が入っており、彼らの過去の秘密が暴かれていきます。
例えば、袴田は高校時代に野球部でいじめを行い、その結果として被害者が命を絶ったという疑惑が告発文に記されていました。森久保には詐欺行為に関与した過去が、矢代にはナイトワークの経験が暴露され、久賀に関しては過去の恋人との問題が取り上げられました。それぞれの過去が明らかになるにつれ、信頼関係が崩れ、互いを疑い、選考とは関係のない人格攻撃が始まります。
しかし、告発文の内容は必ずしも真実ではなく、一部は事実の切り取りや誇張が含まれていました。例えば、ある行為が悪意によるものではなく、誤解が生じた結果だったり、意図とは違う解釈をされてしまったりしていたのです。それにもかかわらず、最終選考の場という極限状態の中では、事実確認をする余裕はなく、一度暴露された情報がそのまま“真実”として扱われ、6人は追い詰められていきました。
このエピソードが示しているのは、「一面の情報だけで人を判断する危険性」です。人には表の顔だけでなく、過去にどのような出来事があったのか、それがどんな背景で起こったのかを知ることなしに、表面的な事実だけで決めつけるのは誤りであるというテーマが込められています。
また、暴露によって生じた不信感や疑念が、6人の人間関係をどのように変えていくのかも注目すべきポイントです。仲間として団結していた彼らが、互いを蹴落とすような心理状態へと追い込まれる過程がリアルに描かれており、極限状態における人間の本性が浮き彫りになっています。
6人の関係性の変化と疑心暗鬼の連鎖
最終選考の会場に封筒が置かれ、6人それぞれの過去の秘密が暴露されることで、彼らの関係性は急激に変化していきました。選考前までは「内定を勝ち取るためのチーム」として協力し合っていた彼らが、一転して互いを疑い、陥れ合う状況へと追い込まれます。
特に、封筒の中身を知った瞬間から、関係性に亀裂が入り始めました。これまで親しく接していた相手が、突然「信用できない存在」に変わり、誰もが防衛本能を働かせるようになります。最終選考では、内定をかけての投票が繰り返される中で、暴露された情報を利用して相手の評価を下げる行為も見られました。疑心暗鬼がエスカレートし、かつての協力関係が完全に崩壊していきます。
また、一部の学生は暴露された内容に対して過剰に反応し、感情的になってしまう場面もありました。例えば、袴田が高校時代のいじめ問題を暴露されたことで、一部のメンバーは彼を激しく非難し、距離を置くようになります。一方で、矢代のナイトワーク経験については「それほど大きな問題ではない」と捉える人もおり、暴露された内容によってそれぞれの対応が分かれる点も興味深いポイントです。
疑惑が深まるにつれて、誰が告発文を作成したのかという「犯人探し」も始まります。これによってさらに疑心暗鬼が増し、互いを陥れる発言や行動が加速していきました。この混乱の中で、冷静さを保とうとする者、暴走する者、状況を操ろうとする者など、個々の性格がより鮮明に描かれることになります。
最終的に、内定者が決まるものの、それがゴールではありませんでした。8年後の真相が明かされることで、当時の選考で交わされた言葉や行動の意味が大きく変わることになります。疑い合い、傷つけ合った6人がどのような結末を迎えたのかを考えると、人間関係のもろさと残酷さがより一層浮き彫りになります。
8年後の真相が示すメッセージ
物語のクライマックスとして描かれる8年後の真相は、これまでの選考の出来事を大きく覆すものでした。最終選考の結果、内定を勝ち取った嶌衣織が社会人として活躍している中、ある日、波多野の妹が彼女を訪ねてきます。彼女は兄が残した映像を持っており、それを通じて過去の出来事の真実が明らかになります。
映像には、当時の告発文に書かれていた事柄が実は誤解や一部の情報だけを切り取ったものであることが示されていました。つまり、6人の裏の顔として暴露された内容の多くが、真実とは異なる形で伝わっていたのです。その結果、選考中に発生した疑心暗鬼や対立の多くが、事実に基づかないものだったことが分かります。
さらに、この暴露の背後にいた真犯人の意図も明かされます。犯人は、ただ自分が内定を得るためではなく、企業の選考方法に疑問を呈する意図を持っていました。人事部が実際に候補者を評価するのではなく、学生たち自身に最終判断を委ねるという異常なシステムに対して、「本当に適正な人材を選んでいるのか?」という疑問を突きつけたかったのです。
この8年後の真相が示しているのは、「人は表面的な情報や先入観で判断しやすい」ということです。一度形成された印象やレッテルは、簡単には拭えず、それがどれほど人の人生に影響を与えるのかが描かれています。また、企業の採用方式に潜む問題点にも焦点が当てられ、「適正な採用とは何か?」という社会的なメッセージを投げかけています。
最後に、過去の誤解が解けたことで、6人の関係性も再び変化します。かつて対立した者同士が真相を知り、改めて向き合う場面は、本作のテーマを締めくくる重要なシーンとなっています。
六人の嘘つきな大学生はこんな人におすすめ
就活や社会のリアルを知りたい人
この作品は、就活生やこれから社会に出る若者にとって、就職活動の現実や企業の採用方式に潜む問題点を考えさせられる内容になっています。特に、スピラリンクスの選考方法は、通常の企業の採用試験とはかけ離れており、候補者同士が互いを評価し、最終的な内定者を決めるという異例の形式が採用されました。
就活におけるグループディスカッションや自己PRの重要性は広く知られていますが、本作ではそれが極端な形で描かれています。企業側が評価するのではなく、候補者同士に決断を委ねる状況は、ビジネスの場で起こる競争や駆け引きを象徴しているとも言えます。また、突如として内定枠が変更されるなど、不透明な企業の対応は、実際の就職活動でも起こり得る理不尽な状況を想起させます。
さらに、個人の過去が暴露されることで、どのように評価が変わるのかが示されており、社会におけるイメージや評判の影響についても考えさせられます。現代社会ではSNSやネット上の情報が個人の評価を左右することがあり、一部の情報が誤解を生んでしまうことも少なくありません。本作を通じて、そうした「表面の情報だけで人を判断する危険性」を感じることができるでしょう。
また、企業側の採用方針の在り方についても疑問を投げかける内容になっています。「なぜ企業は適切な人材を選ぶ責任を放棄するのか?」「評価の基準は何なのか?」といったテーマが作品を通じて浮かび上がり、視聴者に考えさせる仕掛けとなっています。就職活動を控える人はもちろん、すでに社会に出ている人にとっても、職場の評価や人間関係に関する示唆を得られる作品です。
ミステリーや心理戦が好きな人
この作品は、単なる就活ドラマではなく、緻密な心理戦とミステリー要素が融合したストーリーが特徴です。最終選考に残った6人が互いの秘密を暴露され、疑心暗鬼に陥る展開はまるで密室劇のような緊迫感があります。
特に、封筒の中に入っていた告発文の存在が、心理戦の要となります。誰が、何の目的でこのような仕掛けをしたのかという謎が、物語を進める原動力となっています。6人の就活生たちは、お互いの言葉や態度に対して過敏に反応し始め、これまで築いてきた信頼関係が崩れていく様子がリアルに描かれています。
また、誰が内定を勝ち取るのか、そして告発文を仕掛けたのは誰なのかという二重のミステリーが絡み合い、観る者を飽きさせません。さらに、就活という「競争」の場を舞台にしているため、登場人物たちの駆け引きや策略がよりドラマチックに演出されています。
ミステリーとしての完成度も高く、犯人の正体や真相が明かされる8年後の展開では、伏線が回収される爽快感もあります。登場人物の心の揺れ動きや、どんでん返しが好きな人には、特におすすめの作品です。
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六人の嘘つきな大学生 作品情報
解説・あらすじ
浅倉秋成による大ヒットミステリー小説を映画化した密室サスペンス。
人気エンタテインメント企業の新卒採用で最終選考に残った6人の就活生。「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨む」という課題を与えられた彼らは、全員での内定獲得を目指して万全の準備で選考の日を迎えるが、急な課題の変更が通達される。6人の中で勝ち残るのは1人だけで、その1人は彼ら自身で決めるというのだ。戸惑う彼らに追い打ちをかけるかのように、6通の怪しい封筒が見つかる。その中には「詐欺師」「犯罪者」「人殺し」など6人それぞれを告発する衝撃的な内容が記されていた。やがて会議室という密室で、6人の本当の姿が次々と暴かれていく。
洞察力に優れた主人公・嶌衣織を浜辺美波、まっすぐな性格でムードメーカーとなる波多野祥吾を赤楚衛二、冷静で的確なリーダーシップをとる九賀蒼太を佐野勇斗、語学力と人脈に自信を持つ矢代つばさを山下美月、口数が少なく分析力に優れた森久保公彦を倉悠貴、スポーツマンでボランティアサークルの代表を務める袴田亮を西垣匠が演じた。「キサラギ」「シティーハンター」の佐藤祐市が監督を務め、テレビドラマ「毒島ゆり子のせきらら日記」の矢島弘一が脚本を担当。2024年製作/113分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2024年11月22日
みどころ
この作品の見どころは、スリリングな心理戦と予想を覆す展開にあります。最終選考に残った6人の就活生たちが、互いの過去を暴露されることで次第に疑心暗鬼に陥っていく様子は、密室劇のような緊張感を生み出します。
特に、最終選考のルールが突如変更され、「6人の中から1人を選ぶ」という異例の決定を下される瞬間は、物語の大きな転換点です。仲間であったはずの彼らが競争相手となり、協力関係が崩れていく過程が丁寧に描かれています。
さらに、6人の裏の顔が次々と明かされていく中で、それぞれの反応が大きく異なる点も見逃せません。ある者は開き直り、ある者は弁明し、またある者は自らの行為を否定する。この対立構造がストーリーをより深く、リアルなものにしています。
また、8年後に明かされる真実も見どころの一つです。最終選考時には気づかなかった「もう一つの真相」が映像を通じて明らかになり、登場人物たちの関係性が再び変化していきます。このどんでん返しが、作品全体に強いインパクトを与えています。
就活というリアルなテーマをベースにしながらも、ミステリー要素やサスペンス要素が強く盛り込まれた本作は、観る者に人間関係の脆さや真実の曖昧さを考えさせる作りになっています。
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まとめ
『六人の嘘つきな大学生』は、就活という身近なテーマを用いながら、極限状態に置かれた人間の心理を巧みに描いた作品です。採用試験の異質さや、暴露される過去のエピソード、登場人物たちの心理戦などが物語を盛り上げ、最後のどんでん返しによって新たな視点を提示します。
また、単なるミステリーにとどまらず、「人は表面的な情報だけで他者を判断してよいのか?」という問いを観客に投げかける点も重要なポイントです。映画を観終えた後、誰が本当に正しかったのか、何が事実だったのかを改めて考えさせられるでしょう。
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